2013年5月4日(土)

大阪難波 → 尼崎 → 新開地 ◆

2013年のゴールデンウィーク!
ゴールデンウィークはどこに行っても人がいっぱいで、家でおとなしくしているのが一番!
と、思っていましたが、今年は積極的に動きます。
ゴールデンウィーク後半の5月4日、みどりの日。
私と、よく遊ぶ鉄道仲間Nさんと共に、兵庫県の内陸を走る北条鉄道の旅に出ました。

北条鉄道は元は国鉄の路線で、今は第三セクターにより運営されています。
短い路線ですが、各駅はとても個性的なのが特長です。
それらを楽しみに、早速大阪始発の列車に乗車します。
私は大阪から阪神線と神戸電鉄を使い入りますが、今回同行のNさんはJR加古川線から入り途中合流になります。

大阪難波より始発近い阪神電車に、乗車し尼崎で乗り換えます。
尼崎からはうまく直通特急に接続しました。
阪神列車は、元町より先は神戸高速鉄道に乗り入れ、さらに西代から先は山陽電車になり、山陽姫路まで乗り入れています。
実際のところ、近鉄-阪神-神戸高速-山陽と線路はつながっているので、近鉄エリアから山陽姫路が1本のレールで結ばれています
話を戻して、今回は神戸高速鉄道の新開地駅で下車し、神戸店鉄に乗り換えます。
途中、神戸高速鉄道の高速神戸駅に着きました。

なんだよ、高速神戸って!そんなに早いのか?高速なんだな?
と、昔、誰かが突っ込んでいたのを思い出します。
地下の駅ですが、このような昔の書体で書かれた、なんとなく不気味なゴシック体の看板が、最後まで残っています。



高速神戸駅の隣が新開地駅、わずか1分少々で到着し、ここで神戸電鉄に乗り換えます。



神戸電鉄の車両は、至って平凡な形です。



ラッピング車両の側面には、可愛いミツバチが描かれています。



そんあ神戸電鉄に乗車しました。
よく考えると、過去に仕事に行く時、乗ったことがあるだけで、ゆっくりと乗るのは初めてかもしれません。
少し新鮮で、ワクワクしてきました。

新開地 → 粟生 ◆

「すごいんです、神戸電鉄って!」
と、鉄道仲間に話したほどインパクトがありました。
最初は、湊川など神戸を代表する地下駅から始まります。
そして地上に出ると、前にそびえる六甲山に挑戦します。
つまり大半が急勾配を攻める山岳鉄道、平凡な車両の割には大変過酷な路線を進む鉄道でした。

新開地を出発し、鵯越駅に着きました。
「ひよどりごえ」と読みます。
可愛い読み方の駅ですが、急勾配の途中にある駅です。
普通に線路が登っているの、分かりますよね。



登りますね、脇の勾配標識は50パーミルです。
50パーミルは、1000メートル行くと、50メートル登ったり下ったりするという意味です。
50/1000 = 1/20 ということで、20メートルで1メートル登ったり下ったりのと同じ事です。



ここからは大学の数学で登場する関数を使って計算してみます。
例えばですよ、1000メートル行って50メートル登る、ばかでっかい三角定規があったとします・・・って分かりにくいですよね。
じゃ、代わりに底辺が20センチで高さがたった1センチの三角定規が・・・いやこれはただの平べったい直角三角形ですよね。
つまりこれが50パーミルなんです。

ここで、数学のatanという三角関数を使います。
「アタン」ではありません「アークタンジェント」です。
底辺と斜辺が分かれば角度が分かる関数で、atan(1/20)となります。
atanの求め方はとんでもないおまじないのような式になりますので、答案用紙に書く時はatan(1/20)で正解です。
tan-1(1/20)でもOKです。(-1は右肩に小さく書いてね)
で、atan(1/20)って何度なの?というときは、関数電卓の登場です。

これを関数電卓さんで計算すると、2.8624・・・大体3度くらいの傾斜なんですね。
実際に、底辺20センチ、高さ1センチの直角三角形を描いてみて角度を測るとだいたい3度でしたので、合ってると思います。
すみません、他にもっと楽な解き方があれば教えてください。

たったこれだけの傾斜なんですが、この上り坂が延々1キロも続いたら、鉄道ではかなりの難所なんですね。
軽い頭の体操はいかがでしたか???
今度は10パーミルですがもう計算はしません。。。



話を戻して鵯越駅の次は鈴蘭台駅ですが、実はこの駅の間に菊水山駅があります。
菊水山駅は、関西を代表するローカル駅の一つでしたが、2005年から休止扱いになってしまい、今は全部の列車が通過してしまいます。
周りには民家は一軒もなく、限られた普通列車が停車するだけで、ハイキング客が乗降する駅だったようです。
ホームだけは今も残っています。



三木上の丸駅。
古いホーム屋根が残っていました。



三木駅はホームの隙間に注意ですね。



三木駅を越えたあたりから、今度は里山の景色が広がります。
そして一面のレンゲ畑!



そして神戸電鉄粟生船の終点の駅、粟生駅につきました。



この駅は、JR加古川線の粟生駅と、神戸電鉄粟生線の粟生駅、そして北条鉄道の粟生駅が接続しています。
でもすこし小さな駅です。



粟生 → 網引 ◆

いよいよ未開の地、北条鉄道エリアに足を踏み入れました。
停まっていたこの列車、これが北条鉄道のフラワ1000という車両です。
私が乗ったのは、全席が長いロングシートの車両でした。
四国のキハ54を思い出すような車内です。



女性の運転士さんに、フリーキップが欲しいのですがと申し出ると、「終点の北条町まで乗られますか?」と逆に質問されて戸惑う私。
もしや終点まで乗車しないと発券してくれないのかなぁ、と不安になりつつ、
「最終的には北条町まで行きますが、途中に各駅で下車したい旨を伝えると、紙のフリーキップの代券を発券してくださいました。



北条鉄道のフリーキップは硬券で、北条町でしか発券できないのでそれまで代わりの切符を発券しているとの事でした。
あぁ、びっくりした。
先頭のシートに座って、この先のレールを眺めます。
未開の地に足を踏み入れる時は、老若男女だれだってドキドキワクワクしますね!



定刻に列車は粟生駅を出発しました。
バラストが草に覆われ、レールだけが続いているように見えます。
遠くのレールが、がたがた曲がっているように見えるのは気のせいでしょうか。
ローカルムード満点です!



列車は粟生駅を出て、次の駅、網引駅につきました。
私はこの駅で途中下車します。



網引駅の駅舎は、それまでは簡単な屋根のある駅だったようですが、ほんの数ヶ月前に完成したばかりの真新しい駅でした。
新築の木の匂いがします。



この駅の特長は、大きなイチョウの木
昔からこの地で、変わり行く歴史を見てきたのでしょう。




駅舎の中です。



北条鉄道は、元々は国鉄北条線が第三セクターになった路線です。
網引駅も国鉄当初からある駅で、その歴史はとても古いです。
駅舎の中には当時の写真が多数展示してあります。

白黒写真をよく見ると、DD13が貨車を引っ張ってるし、キハ20と、キハ30かな?
博物館でしか見たことないような名車です。



網引駅の焼失前の旧駅舎が写っています。
このころから大きく茂っているイチョウの木は、今も変わりません。
そして、北条鉄道になってから導入された、レールバス形の初代フラワもぴかぴかですね。



駅の外に出てみます。
昔なつかしのポンプが銀色に塗り代わり展示されています。



昔、この駅付近で大事故があったようです。
軍の飛行機が不時着の際、北条線の線路を支障し、運悪く来た列車が支障した線路に乗り上げ横転したという内容が書かれています。



すぐ踏切があり、駅舎の反対側にわたります。
菜の花、すっごくきれい!!



もうすぐ田植えですね。



パノラマ写真を撮影してみました。

(写真をクリックすると大きく表示されます。)


そして、レンゲ畑!!
めっちゃきれいです。
しばらく、花とミツバチにまぎれて夢中で撮影しました。







粟生行きの列車が来ました。
先ほどのとは色の違う車両ですね。




先ほど走り去っていった列車が、粟生駅で折り返して戻ってくる列車に乗って、次の駅に進むことにします。
それまで、駅周辺をうろうろと歩き回って、春を満喫します。



いちょうの新芽が青々としています。
なんとなく元気をもらった気分です。



あっ、戻ってきましたよ、北条町行きです。



網引 → 法華口 ◆

網引駅の次の駅、法華口で下車します。
1駅の間だけお世話になったフラワに別れを告げます。
といっても、また折り返してくるんですけどね。
北条鉄道には交換駅がないので1両のピストン運行なんですよ。



法華井口の駅看板は、筆文字です。
よく見ると、左から書いた後が残っています。
昔は左書きだったのを、上から塗って消して、右書きに書き直したのでしょう。
それにしても、年賀状の宛名なんかに、こんな文字が書けたら格好いいだろうなぁ・・・・



駅舎は昔の名残を残したまま、きれいに改装されています。




駅の表はこんな感じです。
ところどころにのぼりが立っていますが・・・




実はこの駅、パン屋さんなのです
北条鉄道は各駅にボランティア駅長さんがいらっしゃいます。
ボランティア駅長さんは、自分の受け持つ駅を独自にコーディネートし、その結果、各駅がすごく独創的な駅に仕上がりました。
駅好きの私にとっては、こういうの取り組みは大好きです。
法華口駅は駅長さん自らが焼くおいしい米粉のパンが食べられる、パン屋さんなのです。



駅ノートが設置してありましたので、描かせて頂きました。



天気がよくすごく気持ちいいので、買ったパンはホームでおいしく頂きました。




この駅は、きれいにお手入れされていて、花がいっぱいです。
花しょうぶがきれいに咲いています。

余談ですが、同じような花に、ショウブ、花ショウブ、アヤメ、かきつばたがあります。
見分けつきますか?

自慢ではないですが、私、見ると大体分かります。

そんな似たような花の見分け方ですが、
まずショウブは花は咲きません(咲くのですが目立ちません)、ショウブといえば葉をお風呂に入れるショウブ湯ってのがありますよね。
ショウブはお風呂、観賞用の花は咲かないと覚えてください。 ◆

アヤメは水辺ではなくて畑に咲きます。花びらに描かれてる模様が丸いです。
アヤメは畑、丸い模様と覚えてください。 ◆

花ショウブは水辺に咲きます。背丈は高く、花びらの模様が細長くて黄色いです。
花ショウブは花びらの模様が黄色と覚えてください。 ◆

カキツバタも水辺でに咲きます。背丈が低く、お寺の池のほとりが似合いますね。花びらの模様が細長くて白いです。
カキツバタは花びらの模様が白色と覚えてください。 ◆

とはいえ、最近、いろんな品種があって私もぱっと見て、判別できないのもありますよ。
写真は、花ビラの模様が細くて黄色いので、花ショウブです。



昔は何両もつないだ長い列車が停車したのでホームは長いです。
よく見るとこの駅は複線だったようですね。
級ホームの跡が残っています。



「お気をつけて、よい旅を。」
あらまぁ、かわいい。



花の間から、次に乗車する北条町行きの列車が見えました。



北条鉄道の旅はまだまだ続きます。